地域のもう一つの家になる居場所事業「えがおの駄菓子屋」の役割

こんにちは。
えがおの駄菓子屋のライターを担当しております、桐田えこです。

皆さんは、子どものころ駄菓子屋さんに行った記憶は残っているでしょうか。

小銭を握りしめて遠足に持っていくお菓子を選ぶ、その瞬間は、私にとって初めての社会との接点でした。

知らない人と金銭を通じて、物のやり取りをする。今の子どもたちの周りには、そんな小さな社会経験を積む場がなくなっているように思います。

そんな中、愛知県春日井市にある「えがおの駄菓子屋」は、地域にもう一つの家を提供するというユニークな事業を行っています。地域貢献や地域コミュニティ活性化に取り組むことで、地域活性化を実現する。そんな夢を描く、一風変わった駄菓子屋さんです。

目次

えがおの駄菓子屋とは

「えがおの駄菓子屋」は、昔ながらの駄菓子屋を再解釈し、老若男女の新たな居場所として提供しています。一階は駄菓子屋さんとイートインスペース、二階は宿題やゲームをしながら好きに過ごせる場所が確保されています。

えがおの駄菓子屋は、駄菓子屋という居場所を提供することによる地域貢献に取り組んでいます。例えばおじいちゃんが孫のためにふらっと駄菓子を買いに来たり、買い方に戸惑う子を大人が助けたり。日常の中で自然な世代間交流が生まれています。

えがおの駄菓子屋を通じて、子どもの成長を支える

「えがおの駄菓子屋」で発生する社会体験は、子どもたちの成長を支えています。一人で大人相手に買い物をしたり、予算内でお金のやり取りをすることで金銭感覚が養われます。また、駄菓子チケットの存在を知り、大人の善意に触れることで社会のつながりを学ぶこともあります。

かわいい子には旅をさせよ、と言いますよね。

旅をしないと、誰かを頼ることも、新しい物事を知ることもできません。子どもは親のいない所でこそ、一番成長するのです。

誰に言われるでもなく、自分たちで動く。「えがおの駄菓子屋」は、将来社会に出ていくための一歩を踏み出すきっかけを提供しています。

訪れた小学生男子2人組の「さいこーじゃん!」という声が、この取り組みの価値を物語っています。

えがおの駄菓子屋を通じて、高齢者が笑顔を取り戻す

一方で、「えがおの駄菓子屋」は高齢者にとっても大切な居場所です。

店内では、往年の名作映画を上映する「おばあちゃんロードショー」というイベントを月に1回開催されています。

上映後は、「楽しかった」「良かった」「昔を思い出した」と、同じ映画を見た者同士、仲良く感想を語らいます。体力的に映画館に行くのが難しいおばあちゃんたちにとって、誰かと集まって映画を見ることは心を癒す貴重な時間です。

私事ですが、私の祖父は数年前、祖母に先立たれてしまいました。老夫婦は「後を追うように逝く」というケースを聞きますが、祖父はそうではありませんでした。それは祖父が今も畑で農作業をして、その作物を近隣の方に販売したりして、地域コミュニティの中にいるからだと考えています。

人生の後半に完全な孤独の時間を過ごしていたら、祖父は本当にそのまま祖母の後を追っていたのではないかと考えずにはいられません。祖父はまだ足腰が健康なので農業をきっかけにコミュニティを形成できていますが、すべての高齢者がそうではありません。

実際は人生の後半の大半を孤独に暮らすケースも多く、えがおの駄菓子屋はそんな悲しい社会から脱却できる素敵な居場所だと思いました。

えがおの駄菓子屋のこれから

えがおの駄菓子屋は、内閣府、地域における孤独・孤立対策先駆的取組モデル調査の調査対象に選ばれています。

えがおの駄菓子屋を運営する一般社団法人Pay for Worldは、この居場所事業を日本中に広げ、衰退しつつある地域コミュニティの活性化を目標に掲げています。

えがおの駄菓子屋の総利用者数は開業1周年で16000人を突破しました。月約1200人に利用され、春日井市の地域コミュニティ活性化に一役買っています。

えがおの駄菓子屋という世代間交流ができる居場所の提供によって、地域コミュニティに新しい風が吹き込まれ、地域活性化に繋がることを期待しています。

えがおの駄菓子屋ライター

桐田 えこ(とうだ えこ)

デイリースポーツonline、地方創生メディア『Mediall』、魚&水生生物メディア『サカナト』などでライターとして活動中。趣味はカメラ、スポーツ観戦。
大阪府出身愛知県在住。

note(ノート)
魚と地方創生が好きな愛知のライター、桐田えこです(2024.12.2更新)|桐田えこ_愛知のwebライター はじめまして。 桐田えこ(とうだえこ)と申します。 野球と週刊少年ジャンプとポイ活を楽しむ、愛知県在住の主婦webライターです。現在は複数のwebメディアにて記事作成を...

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